日本産と海外産のミネラルウォーターの違い

ミネラルウォーター市場が拡大している。
最近では、飲み水としてばかりではなく、料理や製氷、お茶などにも用途が広がっている。
業界団体の日本ミネラルウォーター協会によると、国産と輸入を併せた市場規模は、2013年に前年度比3パーセント増の326万キロリットルになり、過去10年間で2倍になっているという。
ミネラルウォーターをどのように使っているかを複数回答で訊ねたところ、飲用の96パーセントに加え、製氷が29パーセント、日本茶・コーヒー・紅茶が28パーセント、炊飯が11パーセントにも達した。

ところで、ミネラルウォーターとは、どのような水をいうのであろうか。
1990年に日本の農林水産省が定めた品質表示ガイドラインに、ミネラルウォーターの分類が表示されている。
ミネラルウォーターは大きく「ナチュラルウォーター」「ミネラルウォーター」「ボトルドウォーター」の三種類に分けられる。

日本でミネラルウォーターと普通いっているのは「ナチュラルミネラルウォーター」で、自然の状態でミネラルがとけこんだ地下水を特定の水源から採水し、濾過、沈殿および加熱殺菌した水をいう。
これ以外の処理を水に施したものはナチュラルミネラルウォーターとはいわない。

ところが欧米のミネラルウォーターの定義は日本と大きく異なる。
前にも述べたように、「殺菌処理」したものはミネラルウォーターとは呼ばない」のだ。
無殺菌の生水がミネラルウォーターなのである。

これは、殺菌処理を施して元の成分を変えた水がからだにいいはずがないという考えに基づいている。
そのため、深い地下の水源から直接採水し、空気に触れる前にボトリングすることなどが条件となっている。

日本にも「無殺菌の生水」のミネラルウォーターがあるが、「仙人秘水」が日本で唯一、無殺菌のままボトリングすることを厚生労働省から許可された水である。
釜石鉱山(岩手県釜石市)坑道入口からトロッコに乗って奥に入ること三キロ、地底600メートルの鉱山跡に「仙人秘水」の水源があり、岩盤の裂けめに直接パイプを差しこんで採水し、隣接したボトリング工場で瓶詰めしている。

外国産のもののミネラルウォーターとして、フランスの「ヴィッテル」についてご紹介します。
ヴィッテルは、パリから東へ約200キロ、人口約6000人のこぢんまりした町で、ローマ帝国の時代から鉱泉保養地として知られている。
約2000年前、ローマ皇帝ヴィッテリウスが持病の痛風、肝硬変、腎臓結石治療のためにここを訪れ、病気が治ったと伝えられている。
この皇帝の名にちなんで、ヴィッテルという地名がつけられた。

この町には、ヴィッテル社の工場のほか、ミネラルウォーターを利用して病気治療を行なう施設がある。
ヴィッテルは硬度が約300の硬水のミネラルウォーターで、ミネラル成分は1リットル中、91ミリグラムのカルシウム、19.9ミリグラムのマグネシウム、258ミリグラムの重炭酸塩などが含まれている。

海外産のミネラルウォーターがミネラルの多い硬水が多いのに対して、日本のものは軟水がほとんどである。
火山岩系で、水が地中にとどまっている時間が短く、流れが早い日本の地下水はミネラル分が少なくなり、水成岩系の大陸の地中てじっくり時を刻んだヨーロッパの地下水はミネラル分が多くなるのである。

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