超純水は半導体生産に不可欠

蒸留水と同じような製法で造る酒が蒸留酒である。
焼酎やウイスキーが蒸留酒で、これらに使う水は軟水がよく、清酒やワインなどの醸造酒には硬水が適しているといわれている。
水の蒸留の過程で溶存ミネラルを除去する困難さがあるからであろう。

熊本は米焼酎、大分はそば焼酎、宮崎は麦焼酎、そして鹿児島はいも焼酎が有名である。
九州には阿蘇山をはじめ火山が多く、土地の透水性が高いことが知られている。
そのため、降った雨は海へ出るまでに、ミネラル含有の少ない軟水の性質をもつ。
したがって、おいしい焼酎が造れるというわけである。

また、半導体を作る際には超純水が必要となる。
超純水は軟水でなければ効率よく作れないので、軟水地帯である九州が半導体の生産地となったのである。

かくして、焼酎と半導体の生産地が一致することになる。

半導体用の超純水は、医薬用アンプル水や輸液用の水よりさらにきれいな水である。
とくにイオンは少なく、5ppb、つまり水のなかに10億分の1ぐらいしか不純物が含まれていない。

先ほどまで述べてきた蒸留水、つまり純水の製造では、基本的には水溶液中の電解質が除去対象になっており、電気伝導率を測定して純度の確認が行なわれてきた。
これに対して超純水では、電解質はもちろんのこと、それ以外の水中に存在している有機物、無機物、生菌、微粒子、溶存気体などが除去対象になってくる。
半導体製造では各プロセスで超純水で洗浄するが、これは水が高純度になればなるほど「ハングリーウォーター」になり、いろいろなものを溶解しやすくなるためである。

通常の洗剤が使えない分野では、とくに洗浄剤として重安な役割を果しているのだ。
とくに半導体製造業では、純度のあまり高くない水は洗浄能力の点で劣るばかりでなく、半導体を逆に汚染してしまうという問題が生じる。
したがって、下導体素子の高密度化、高集積化に伴い、高純度の水がますます求められるようになったのである。

このような高純度な水を使用している分野には、半導体産業のほかに、原子力産業や製薬業、高度なバイオテクノロジー産業などがある。
最後に、超純水は半導体産業などには不可欠であるが、人間のからだには「毒の水」であることを強調しておきたい。

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