ウォーターサーバーを契約して使ってみたけれど、冷静になってみると「必要なかったかもしれない…」と後悔している方も多いのではないでしょうか?
設置前なら申込キャンセルをすれば問題ありませんが、設置後に解約すると違約金がかかるので困ってしまいます。しかし、クーリングオフ制度を利用することで違約金なしで返品できる可能性もゼロではありません。
そこで今回は、ウォーターサーバのクーリングオフについて詳しく解説します。適用される条件や期間を過ぎてしまった場合の対応方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
クーリングオフについて
まずは、クーリングオフがどのような制度なのかを解説します。
クーリングオフとは
クーリングオフとは、一定の条件下で契約を無条件で解除できる制度です。
クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度です。
出展元:独立行政法人国民生活センター
この制度は、訪問販売や電話勧誘販売など、消費者が十分な情報を得られない状況で契約してしまうリスクを軽減するために設けられています。
契約後に冷静になって「やっぱりやめたい」と思った場合、契約内容や利用状況に関係なく、契約を解除することが可能です。ただし、クーリングオフが適用されるかどうかは、契約内容や契約状況によって異なります。
クーリングオフと解約の違い
クーリングオフの適用条件について説明する前に、クーリングオフと解約の違いについて解説します。2つの違いは以下の通りです。
項目 | 内容 |
クーリングオフ | 一定の条件下で消費者が契約を無条件で解除できる制度。違約金や解約金が発生しない。 |
解約 | クーリングオフ期間を過ぎた後、または規定外の場合に、契約内容に基づいて解除する方法。違約金や手数料が発生する場合がある。 |
簡単に言うと、クーリングオフが適用された契約解除の場合は違約金や解約金が発生しませんが、クーリングオフが適用されない契約解除は解約となり、違約金や解約金が発生する可能性があるという違いがあります。
ウォーターサーバーはクーリングオフできる?
クーリングオフが適用されるためには「一定の条件下」である必要があるので、ウォーターサーバーのクーリングオフできる条件とできない契約内容例を紹介します。
クーリングオフできる条件
原則、クーリングオフが適用される条件は「不当な契約だった」「無効な契約だった」という2パターンです。
ウォーターサーバーの契約に当てはめて考えると、クーリングオフの対象となるには以下の条件を満たしている必要があります。
このような場合は契約書にクーリングオフの記載がない場合でも、クーリングオフが認められる可能性があります。
クーリングオフができない契約内容の例
一方で、以下の条件に該当する場合は、クーリングオフが適用されないので注意しましょう。
また、訪問販売や電話・店頭勧誘販売であっても自発的に契約を申し出た場合や、ウォーターサーバーを既に使用している場合も、適用対象外となることがあります。
ウォーターサーバーのクーリングオフ手順
ここからはウォーターサーバーのクーリングオフ手順を解説します。
クーリングオフには期間が定められているので、手際よく進めていきましょう。クーリングオフ期間は契約状況によって「8日、10日、14日、20日」と異なりますが、基本的には最短の8日以内に申請できるようにすることをおすすめします。
国民生活センターでは、消費者の様々な相談に乗ってもらえます。そのため、自分の契約状況でクーリングオフが本当に適用されるのか不安な方は国民生活センターに問い合わせしてみましょう。
自分の判断でクーリングオフが適用されると確信できている方はこのステップは省略しても問題ありませんが、手続き方法に不安がある場合は、国民生活センターで手続きについて相談するのもいいでしょう。
STEP3で詳しく解説しますが、クーリングオフの申請は書面で行うのがベターです。そのため、まずはクーリングオフの申請書面を書きましょう。
下記に内容証明郵便で申請する場合の例を添付するので、参考にしてください。
クーリングオフは電話やメールなどでも申請できますが、証拠が残らないため「クーリングオフの申請がきていない」と言われてしまう可能性があります。
そのため、クーリングオフの申請は書面で行うようにしましょう。また、書面を「いつ・どこで・誰が・誰に送った」ということを証明してくれる内容証明郵便を利用することをおすすめします。
契約したウォーターサーバーをクレジット決済で登録している場合は、クレジット会社にもクーリングオフした旨を連絡しましょう。
ウォーターサーバー事業者とクレジット会社で情報共有ができておらず、クーリングオフしても金額を請求されてしまう可能性があります。仮に請求されたとしても後日クレジット会社から返金を受けることは可能ですが、二度手間となってしまうので事前に連絡しておくことをおすすめします。
クーリングオフの申請書面を郵送したら、ウォーターサーバー事業者が契約解除・返金してくれるのを待ちましょう。クーリングオフの適用条件を満たしている場合、事業者は申請を反故にすることはできません。
そのため、もしも契約解除・返金が全然されない場合は、速やかに国民生活センターに相談しましょう。
これでクーリングオフの一連の手続きは完了です。また、クーリングオフを適用している場合、違約金や解約金は発生しません。
クーリングオフ期間を過ぎた場合の対応方法
最後に、クーリングオフ期間を過ぎてしまったけれど、契約解除をしたい方がとれる対応方法を紹介します。
中途解約をする
クーリングオフ期間を過ぎてしまうと、当然ながらクーリングオフはできません。それでも契約解除をしたい場合は、解約手続きをするしかありません。
ここで注意が必要なのが、契約期間内の解約の場合、違約金が発生する点です。ウォーターサーバーの契約期間は2~3年程度で設定されているケースが多く、違約金も1万円以上と高額です。
違約金を支払うくらいだったら、開き直ってウォーターサーバーを活用する方がいいという考え方もありますので、クーリングオフ期間経過後の解約は慎重に行うようにしましょう。
ちなみに、ウォーターサーバーを契約した場合の月額料金は下記記事で詳しく解説しているので、契約継続を選ぶ場合の参考にしてください。
参考記事:ウォーターサーバーは1ヶ月いくらかかる?月額料金の内訳と世帯人数別の料金を詳しく解説!
ウォーターサーバー事業者に交渉する
ウォーターサーバー事業者に直接交渉するというのも一つの手段です。例外として、違約金なしで契約解除できる可能性があります。
ただし、基本的に交渉が有利なのはウォーターサーバー事業者側です。そのため、何も交渉材料を持たずに交渉しても時間の無駄です。
そのため、「クーリングオフが期間内にできない止む得ない事情があった」「何かしら事業者側に落ち度があってクーリングオフが遅れた」といったなどの交渉材料をもって、交渉するようにしましょう。
国民生活センターに相談する
まずは、国民生活センターに相談してみるというのも一つの手段です。
国民生活センターは日常生活で起こるトラブルの相談や解決の手助けとなってくれます。自分の現在の状況を包み隠さず話すことで、適切なアドバイスをもらえる可能性があります。
公的機関のため、相談するのにお金もかかりません。内容によっては、直接事業者と連絡をとって交渉してくれることもあります。
期待しすぎるのもよくありませんが、どうしていいかわからず途方に暮れているようでしたら、国民生活センターに連絡してみましょう。